| HAPPY BIRTH DAY (スキ トキメキ ト キス) |
| 「へへへ」 「・・・なんだよ。気持悪いやつだな。」 「へへ。だってさ…」 まだ、余韻が残ってる。 5月28日。今日は俺の誕生日。 メンバーは、寮長、奥野先輩、七瀬に睦美に明里と鈴木。 そのみんなが、俺の誕生日パーティーを開いてくれたのだ。 清嶺は、亜也子さんと約束があったらしくて参加してくれなかったけど… 七瀬の料理はいつもより手がこんでて美味いし、 みんなは『おめでとう』と言ってプレゼントをくれるしで、 超最高な時間をすごすことができた。 「俺、生きてて良かったなー なんて」 ぽすんと、ベッドに倒れ込む。 「単純なやつ」 清嶺の言葉に、へへっと笑って目を閉じた。 さっきのみんなの笑顔が、網膜裏にやきついている。 なんか、すっごい感動。 俺って、独りじゃないんだな。 …て、思えた。 ぎしっと、ベッドが音をたててもう一人ぶんの体重を支える。 清嶺だ。 清嶺は何も言わず、ただ座っている。 なんだか清嶺にみつめられてる気がして、目をあけたけれど 別に清嶺は俺のことなんか見てはいなかった。 「あ。 そーいえば明里にもらったやつまだ見てねぇや。」 はっと気づいて体を起こす。 ボフンとベッドが派手に揺れた。 何か知らないけど、 『今は開けちゃ駄目よ!!でも後で感想聞かせてね☆』 って言われたんだっけ。 ててっと、机の上に置いてあるプレゼントに向かう。 その横には、みんなが持ち寄ったジュースやら何やらの、 まだ空けてないカンがころがっていた。 プレゼントを手に取ると、座り込んで丁寧に包装をはがしていく。 「?!!!」 開けてみて、そのプレゼントの内容に言葉を失ってしまった。 「何だったんだ。」 「こ…これ…」 カーっと、赤くなりながらきよみねのほうにそれを向ける。 「あだるとびでお…」 しかも、その題名が『スキ トキメキ ト キス』 ・・・なんちゅー題名だ・・・ 「あいつ良い趣味してんなー」 清嶺はケラケラと笑う。 「あのなー!!!」 「ま、良いじゃん。 後学のために見とけば? …そーいえば俺、あんまりAVって見たこと無いわ。 ま、ビデオなんか見なくても…」 と言葉をそこで切って、清嶺は俺の手からビデオを取ると、 そのままデッキにつっこんだ。 こ、後学ってっっ!!! てか、『見なくても』の続きは??!!! くはーっと頭をくらくらさせていると 「なんだお前。 もしかしてAVすら見たことねぇの? 男のくせに?」 と、清嶺は馬鹿にしたように笑った。 「なっ?!」 なんだとぉぉぉ??!!!! 「え、AVくらい見たことあるに決ってんだろ!! ほら!!早くかけろよっ」 「はいはい。 んじゃ、見ようぜ。」 なかば売り言葉に買い言葉状態で、AV観賞会が はじめられてしまった。 …本当は、AVなんか見たことなんかない。 そんなもの、見る機会も暇もなかったし。 ちょっとだけ複雑な気分を打ち消すように、 うぃぃん…と 音をたてて、デッキがビデオ再生を開始した。 |
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