| <第3話/いもむしの悪知恵と赤い着物の憂鬱(3)> |
「ん・・・んんーー。」 もぞもぞと体を動かす。 体に、シーツか何かが かかっている。 俺、寝てたのか? ってことは・・・・俺、夢見てたんだ。 ・・・それにしても変な夢だったなー。 へんなドアノブ舐めさせられて、都筑がウサギで ほんでもって毒キノコでしびれさせられて・・・ ・・・なんか、思い出したら腹立ってきた。 ま、忘れよ。どーせ夢だし。 うーんと腕をのばして、ぼやけた頭で体の上にかかっている シーツのようなものをくるっと体に巻きつけて寝返りをうった。 あーでも、本当に・・・ 「夢でよかった。」 「・・・夢じゃねぇぜ。」 はっと目をあける。 「織也??!」 がばっと体を起こすと、密の横にはぷかぷかと長キセルをふかせた 織也の姿があった。 「ってことは・・・・」 やっぱ、現・・・・実・・・ 頭 痛ぇ・・・・ はっはは・・・と渇いた笑いをこぼすと、ため息もこぼれた。 自分の体を見ると、もとの水色のメイド服を着ている。 「あんまりにも精液で汚れっちまったからな。 女達に言って坊が寝てるうちに湯浴みさせて 着替えさといたぞ。」 「??!!女達って・・・?! すみれさん達??!」 ぎょっとして問う。 あの人たちにそんな姿を見られた??! 「ん?いや、あいつらはちょうど客が来ててな。 坊を湯浴みさせたのは別の女だ。」 と言われ、 密はほーっとため息をついた。 「・・・あっ!! そういえば扇子!! 約束どおり返せよっっ」 当初の目的を思い出し、織也につめよる。 「あーーーあの扇子なーーーーー」 織也が視線を逃した。 「返せよ!!!」 さらに つめよる。 「・・・・・・なくなっちまった。」 「っっは?!」 「気を失ったお前を小屋ん中に連れてった時に どうやら鳥かなんかに持ってかれっちまったみてぇだ。」 「な、な、なっっ」 怒りで肩がふるえる。 「でもよー坊。 どうだお前。本気でここに残ってみねぇか? 働けっつてるんじゃなくて・・・」 「ふ、ふ・・・・」 「ん?」 「ふざけんなーーーーーーーーっっっ!!!!!!」 ばちこーんと、音をたてて密の握りこぶしが織也の頬にヒットした。 織也の体がふき飛ぶ。 「っちくしょーーー!!!」 俺って犯られぞんーーーーっっ???!!! 密は脱兎のごとく走りだす。 「坊ーー!!」と、織也の声が追ってので、さらに逃げるように 腰がつらいのもかまわず、密は走り去った。 ちらっと すみれ達の顔が思い浮かび、一瞬迷ってしまったが 「すみません」と心の中で謝って、密は走る速度を上げた。 |
| 010529(火) |