HAPPY BIRTH DAY (スキ トキメキ ト キス)





「ん・・・んーー。」
もぞもぞとシーツの中で体を動かす。

「あっ つ ーー・・・」
目を覚ますと、頭蓋に割れるような痛みがはしった。


 頭 いた ・・・
 昨日、たしか明里にもらったAVを清嶺と見て・・・
 で、どーなったっけ??

記憶が無い。
机の上を見ると、『グレープフルーツあらしぼり(注・これはお酒です)』
と書かれたカンが3本転がっていた。

「あー。俺、ジュースと間違えて、これ飲んじゃってたんだ。」

 んで、そのまま寝ちゃったってわけか。
 そかそか。


納得して、ゆっくり体を起こそうとすると
ビキビキビキ!!!っと腰に激痛がはしった。


 いってー!!!なんだよこれぇーーー??!!

あまりの痛さに、シーツをつかんでそのままうずくまってしまう。


「起きたか。」
「清嶺・・・」
「何やってんだよ。」
「わかんねーけど、すっげ、腰いたい・・・・っっ」
半泣き状態で見上げると、
清嶺は洗濯したてのシーツやら服やらを持っていた。

「あれ?どーしたんだよ。
 お前が洗濯なんてめずらしー。」
「・・・汚した本人が何 言ってやがる。」
清嶺はあきれた顔でぼふっと俺の顔にむかって
洗濯物を投げつけた。

「へ?!」
洗濯物をくしゃっとまるめる。


 俺が汚した??

「覚えてねぇのか?」
「え、っと・・・」
一生懸命 記憶をたどるが、思い出されるのは
AVのエッチシーンと、
何かものすごく気持ち良いことがあったような気がする。
という、ひどくあいまいなことばかりだった。


 ・・・はっ!!
 そーいえば、なんか体中がだるいわりには
 なぜかスッキリしてる・・・
 たしか俺は、AVを見ながら間違えてお酒のんじゃって、
 そんで、おかしな気分になっちゃって・・・・



「清嶺・・・・俺・・・・」
「・・・・・・・・・・」
清嶺は黙ってじっと俺を見ている。

 俺、もしかして!!??




「吐いちゃったのか?!」

言った瞬間、清嶺ががくっと肩を落とした。
・・・・気がした。

「・・・・そーだよ。」
少し遅れてから清嶺が返事を返してきた。
「う、うわー。ごめんな?!
 もしかして、服も変えてくれた??!」
「まぁな。」


悪いことしたなーと思い、「うわーうわー」と つぶやいていると、
手のひらにころん。と、何かをおかれた。

「・・・ゆびわ?? 何、これ。」
「プレゼント。
 誰かさんのせいで昨日は渡せなかったからな。」
ぎろっとにらまれる。

 うわー。やっぱり、吐いちゃった事おこってる?

へへっと笑ってごまかそうとすると、清嶺は眉を歪ませて小さく
ため息をはいて続けた。
 

「昨日、亜也子に『宝の誕生日だ』っつったら
 なんか買ってやれってうるさくてよ。
 てきとうに店に入って買った。
 たしか・・・クロムのだったと思うけど。」

「クロム?!・・・て、クロムハ―ツ??!!!
 超高いやつじゃん!!!!そんなのもらえねーよっ」


ぐいっと返そうとすると、「じゃ捨てる」と言って清嶺はゴミ箱に向かった。

「俺こんなのつけねぇし。
 お前がいらねぇなら、捨てる。」
「わっっ もったいない!! もらうっ、もらうよ!!!!!」
「・・・初めっから、そー言え。」


清嶺はゴミ箱にほおりこもうとした手をくるっと向けて、
ぽふっとベッドの上に指輪を投げ落とした。



「ありがとな、清嶺。
 はっきり言って、お前にもらえると思ってなかったし
 ・・・すっげー嬉しい。」
そう言って何も考えずにいそいそと指にはめて見せる。


「お、おまえ!!
 何、してんだよっ!!」
上機嫌な俺と違って、清嶺はなぜかあわてている。
「え??」

 指輪って指にはめるもんじゃねぇの?


「・・・それ 誰かに聞かれても俺の名前だすなよ。
 あと、早く起きろ。」
「お、おお。」
と返事をしたものの、原因不明の腰の激痛のせいで、
なかなか立ち上がることができなかった。




左の薬指に、清嶺からもらったクロムが光っている。






その後学校で、
ビデオの感想を聞きに来た明里に
その指輪のことで ひどくからかわれることになってしまった。




★☆★END★☆★


010528(月)