違う言葉。...好きなんて
「ねぇ、密?俺のこと、好き?」
そんな質問を投げつけても、返す台詞はいつも一緒。
「嫌いだよ。バーカ。」
大きな口をあけて憎まれ口を叩く。
都筑と来たら、そんな密でもかわいいと思っているのに、
密の返事はいつも つれない。
「バカな事言ってないで、仕事しろ!仕事!!」
「あーーっ!ま〜た バカって言ったぁ!」
ギャンギャンと、そんなやりあいが続く。
「あ~あ、もう いいやー。」
先に根を上げたのは都筑だった。
このまま続けても、"好き"なんて言ってもらえるはずもない。
ぐすんと涙をこらえる真似をしながら、仕事に戻った都筑を見て
密も、小さく舌打ちをしてから仕事に戻った。


***

―――夜。


「あ、あれ?どうしたの。密...っ?」
「...うるさい。だまってろ...」

「う…っ」と小さく堪えながら、密は自分で挿入を深めていく。
都筑の膝の上、真向かうように跨り腰を落とす。
挿入されるよりも、していくほうが苦しい。
我慢しようにも、圧迫感に声が漏れる。

「ひ、密?無理しなくても…」
「いいから黙ってろっ。」

あまりの苦しそうな表情に心配になった都筑の言葉にも 密は一喝を入れて、行動を進めた。

「は...いったぁ…」
全て入れ終えたときには、達成感と苦しさとで生理的な涙が頬を伝った。
「なんでこんなこと??」
"俺は嬉しいけど"そう続ける都筑を、密はぎゅっと都筑を抱きしめる。

「…わかれよ、バーカ。」
「え??」

「こんなこと…  …じゃ、 無かったら、 するわけないだ ろ…」

かすれ声で言う。
しかし、一番大切な二文字は、やはり声に出せない。
真っ赤になってうつむく密を、都筑は、包み込むように抱き返した。

「俺のこと、"好き"だからこんなことできちゃうんだ?」
「っ?! ば、ばかや ろ  っ!」
ぼろぼろと涙を流しながら抵抗する。
言われると腹が立って、恥ずかしさに死にそうだ。
「バカでもなんでもいいよ。そんなことより…」
言って、都筑は密の腰に手をかけた。
「あうっ っ 」
急な動きに密の背がしなる。
それを逃がさないようにと捕まえると、より挿入は深いものとなった。
密の苦痛の表情に、快楽の色が混じる。

「態度で示してくれた有難う。
 今度は、俺がお返しする番だよね。密。」
「  っ  っ ぁ っ」

体を揺すりながら都筑は、密の体に充分なまでの"好き"を刻み込んだのであった。



***


さっきまで自分の体を貫いていた男が、隣で眠っている。
先程の男らしさは皆無な、大きく口をあけた無防備な姿。
けだるげな仕草で、密はそれをみつめた。

自分でも信じられない。
こんな奴が、  だ、なんて。

そんな想いに、また密は赤くなる。
自覚することが恥ずかしい。
信じたくないというのが、実のところの本音だ。
それでも、実際、そうなのだから仕方無い。

「ばーか。」

幸せそうに寝ている都筑の鼻をきゅっと摘み、密は、またその言葉を口にしたのであった。





バカの同義語って、知ってた?
"好き"って、いうんだよ。




040802