Pos/t-tra//umatic Str/ess Diso//rder
| ハァ ハァ ハァ 暗闇の中、逃げる自分の吐息が大きく耳に響く。 それに混じる音は、後ろから追いかける男達のもので。 懸命に逃げるが、その音に吐き気をもよおし ふらついたところを捕まってしまった。 「捕まえたぜぇ。うさぎちゃん」 「・・・っっ!」 ギリギリと、骨がきしむほどに腕をつかまれる。 “離せ”と言う気力も、もう無い。 ただ、この 五感を支配する吐き気から解放してほしい。 圧が高まり、ズキズキと痛む眼の奥を 耐えるように きつく歯を食いしばった。 これから起こることは 容易に想像できる。 嫌悪と、恐怖。 月が踊る 闇が臭う 空気のよどみ あの日の死臭 あの日の闇 あの日の・・・ 記憶と妄想が交錯する。 「 ひ ぃ っっ」 自分のノドの奥から、声と言うには 人間味の無い きしんだ悲鳴が漏れる。 土の上に あお向けに倒され、膝が胸につくほど 折り曲げられた姿勢で 犯されている。 俺を捕らえてからの男達は、嘔気で抵抗力が小さくなった 俺を おさえつけ、乱暴に服を脱がすと 前戯も何も無しに 己の欲望を無理やりねじ込んだのである。 まるで体が、他の奴のもののよう。 「ぅっ ぅ っ」 ハァハァとあえぐ男達の酒臭い吐息に、 どこか遠い、自分の うめき声が重なる。 ぎしぎしと 揺らされる体は、 まるで できそこないの お人形 。 それなのに、内壁を擦られているうちに 体は じょじょに反応を しはじめ、ペニスは少しづつ 起立し、先走りがしたたり始めたのに気づいた。 男達が下卑た言葉を嘲笑しながら投げつける。 しかし、今の自分には もうどうでも良いことで。 そう。自分は。 聴力を持たない ただの物体。 性欲を受け取るための、性人形。 『そう。お前は人形だ。』 聞こえないはずの世界に 声が響く。 『今さら、自分で確認しなくてもわかっているだろう。』 生気の無くなった翡翠の瞳に 涙がたまる。 『あの日、さんざん教え込んでやっただろう。』 体に熱が戻り始め、隠れていた本能が引き起こされる。 『犯され、嬲られ、そして...殺され。 お前はそれを淫らに悦んでいた。』 「 は・・・あ・・・あぁっ」 あえぎが、自然にノドから溢れ出す。 『あの日のように 淫猥に腰をくねらせたらどうだ。』 「・・・っと・・・もっと・・・」 声に誘導され、自ら腰を使い 男の腰に足をからめた。 内股を、精液と裂けた結合部からの血液が濡らし ヌメヌメといやらしく光っている。 中を犯している男だけでなく、隣で順番を待っていた男も たまらないと言った様子で、 口腔内に性器を挿し入れてきた。 「ん・・・ぅん・・・」 上下で じゅぷじゅぷと男のものを咥え込んでいる。 なまめかしく動く、闇に飲み込まれた自分の シタイ。 それをまるで。遠くから見ているような感覚。 陵辱するのは月の光。 肌に触れる吐息は死臭。 そして、肉体(脳内)をオカ(犯・侵)す 白く潔癖な・・・ 何かが 少し、足りない。・・・・? 「うぎゃあああああああああ!!!!!」 口唇から 唾液と液体が滴る。 歯の奥に力を入れ、強く頭をふれば良いだけだった。 少しノドが苦しかったが 、案外 簡単だった。 「ぎゃああぁあぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!」 咥えさせていたものが無くなった男は、わめきながら 下半身を露出させたまま 土の上を転がっている。 「あ ・ あ ・ あ ・・・」 後ろを犯していた男は、挿入したままの体勢で 青ざめ、小刻みに震えている。 プっと、口の中にある男性器を手のひらに吐き出し 振り返り、微笑をこぼす。 「どうしたんだよ。動かねぇの?」 「う・・・うわ・・・ゎ、わあぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」 男は 突き飛ばすように体を離すと、転がっている男を そのままに走った。 ああ・・・つまんねぇの・・・。 まだイってないのに。 性器の無くなった男は、多量の出血のせいか わめき転がるのも止め、力なく 自分の股間をおさえ 恐怖の目で見上げてきた。 「ぅ・・・ぁ・・・ぁ」 恐怖にかすれた声が、欲望をくすぐる。 「く・・・来 るな ・・・・・ぁぁ 」 少しづつ、男の側に近寄る。 「ば・・・けものっっ」 しゃがみ込み、血塗れになり 肉があらわになった そこに口唇を寄せた。 「ぅぎゃあああ!!!」 ぴちゃぴちゃと 舌で嬲り、舐めまわし 尿道らしき 小さな穴に、舌を差し入れるように戯ぶ。 男は あまりの痛みに動けないようだ。 ただ、煩い叫び声はカンにさわる。 そのまま、体を舌でなぞり 男のノドまで口唇を移動させた。 男の眼を覗き込む。 「ひ・・・ひぃっっ」 あきらかに映し出される 苦痛と恐怖の色。 「気持ち良い??」 思わず そう問うていた。 さらに、男の瞳が恐怖に染まった。 それが楽しくて、そのまま眼をみつめながら ノド元に喰らいついた。 「ひ ぎ ぃ っっ」 ごりっと小気味の良い音がし、肉が裂け軟骨が砕けた。 「ぎぃ――― ...ぃ ひぎー ぃ...」 だらだらと垂れる唾液。 一気に花咲いた瞳孔。 ノドからもれる心地よい空気。 「あ・・・・は、はぁ・・・」 気がつけば いつのまにか。 自分のものを しごいていた。 「うっく・・・・んん・・・」 手にした目の前の男のものだった男性器を 自分の秘部にあてがう。 「ん・・・ぃ・・ ・ はっ ・・・」 ゆっくりと、埋まっていく。 シタイ 体の下には 死にゆく 肢体。 冷えゆく体温。 死への苦しみ。 l殺される絶望。 加害者の自分。と、 被害者の自分。 体の下にあるのはあの日の、 シタイ。 白い 肢体 シタイ しろ 死体 したい シタイ シタイ 死体 肢体 肢体 したい シタイ 死体 死体 肢体 死体 シロイシタイ 『エロス(生)と タナトス(死)。 死の中にあるエロスが、 お前にとっては最高の快楽なんだろう?』 「んうっく・・・」 とくんと、手のひらに白い液体を吐き出す。 ああ そうか。 今夜の月は、紅かったんだ。 |
| you'll DEAD |
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